2025_02

title:Drawing new borders on Mars

material:キャンバス、アクリル絵具、アクリルメディウム

2025.11.3

かつて私たちは、大地に線を引いた。
目には見えないはずのその線が、戦争を生み、人々を分け、地図を塗り替えてきた。
火星は、まだ誰のものでもない。
だが私たちは、すでにそこに線を引こうとしている。
科学の名のもとに。開発という大義のもとに。
植民と所有の歴史が、再び始まろうとしている。
この作品は、そんな未来に問いを投げかける。
――「境界とは、誰が引くものか」
――「誰が、それを越えられないのか」
もし未来の地図に、また新たな線が描かれるとしたら、 その手は、いかなる意志によって動いているのだろうか。
私たちは、その手元を見つめ直すべき時に来ている。 この作品は、火星という空白のキャンバスに、 地球の過去と未来が滲む、一滴の絵の具を垂らす試みである。
境界は描くべきものなのか。
壊すべきものなのか。
あるいは、いっそ塗りつぶすべきものなのか。
下層のキャンバスには、紛争状況にある国々の国境線が、絵の具により3D表現されている。