2012AW

title:イキタ

material:どんぐり × 育苗ポット

20012.12

枯葉の多い場所で、どんぐり拾いをするとわかる話ですが、あの弾丸のような形は、枯葉や枯れ枝の隙間をどんどんぐりぐり地面に向かって進み、発芽しようとする、強い生命力の形であることがわかります。また、リスなどの小動物が巣に持ち帰り、隠し、蓄えるという習性を利用し、うっかり忘れ去られたどんぐりが翌春、発芽するのだそうです。子孫を残すための戦略です。しかし、発芽できるのはほんの一握りです。 どんぐりは、縄文土器の中から発見されていることからもわかるように、ヒエやアワと同じように太古の昔から主食として食べられていました。そんな身近で、強い生命力と時間概念を持ったどんぐりを、素材として使うことにしました。どんぐりを拾った年は12年前と大震災の年です。それらが作品の中で混在しています。どんぐりの数は、私の母(昭和元年1月生まれ)が現在まで生きた日数とほぼ同じ数(日本人女性の平均寿命ともほぼ同じ日数)31744個です。さらに、国内における年間の自殺者数、そして孤独死者数とほぼ同じです。 平和のシンボルが鳩、幸運のシンボルが四葉のクローバーのように、長寿のシンボルはどんぐり、ということらしいのですが。 黒いシート状の物は、ポリエチレン製の種子セルトレイの裏を使ったものです。